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小田屋尾崎新社屋・店舗建築が受賞しました

2011年04月12日

尾崎呉服店近くの旧袋川沿いの桜並木も満開です。
新しいスタートの季節がやってきましたね。


先日、尾崎呉服店に嬉しい知らせが届きました。
昨年2010年10月10日に社屋兼店舗を新築オープンした当店ですが、
設計をお願いした竹中工務店広島支店設計部の秦敏彦氏が、株式会社小田屋尾崎の新社屋・店舗建築で、竹中工務店の2010年度設計技術賞を受賞なさったということです。


HP上で店舗の写真をあまり使っておりませんので、この機会に、少し店内をご紹介差し上げようと思います。

店舗外観_picnik.jpg
まずこちらが社屋兼店舗の外観です。
横長の独特のショウウインドウのある1階が尾崎呉服店、
2階が尾崎質店、
3階がgridという、三層構造の建物です。


呉服ウインドウ_picnik.jpg
呉服店のショウウインドウを縁取るモアレ構造の意匠は、尾崎家13代目の洋画家・尾崎悌之助が描いた七宝つなぎ文様です。
右側が尾崎呉服店の入口、左側が尾崎質店のショウウインドウと2階へ続く階段の入口です。


呉服店東_picnik.jpg
1階正面入口を入っていただくと、左手には着物と帯や、伊と忠の履物コーナーがあります。


呉服店全体.jpg
対する店舗右側には、和装小物、尾崎呉服店オリジナル商品などのコーナーがあります。


1階から階段.jpg
1階から3階までを貫く明るい吹き抜けを階段で上っていただきます。
従来の呉服店とは違い、売り場に畳敷きの間を設けておりませんが、店舗の奥には既存の母屋の和室を利用した試着室をご用意しました。


吹き抜け_picnik.jpg
1階から3階までを貫く印象的な階段は、この建築の核となるデザインです。


2階階段.jpg
2階へ上がってすぐ左側に質店の売り場が見えます。
売り場奥の扉を入ると、お預かりや買取の受付カウンターです。


質店_picnik.jpg
鳥取一の老舗としてご愛顧いただいている尾崎質店。
新築で店の雰囲気は一新しましたが、シンボルだった帳場の衝立を旧店舗から受け継ぎました。


質店階段_picnik.jpg
路面から2階の尾崎質店へ直接上がっていただける階段もあります。


gridⅠ.jpg
3階はアートスペースgridです。
二部屋あるうち、こちらはgridⅠ。
現代美術や着物に関する様々な企画展を開催します。


gridⅡ.jpg
グリッド(格子)状のガラスブロックの採光が印象的なgridⅡは洋画家・尾崎悌之助の作品を展示する一室です。
彼の描いた七宝模様が、当店を象徴する意匠として、建築やオリジナル商品、ロゴマークなど、随所に生かされました。


グリッド2から2階を望む_picnik.jpg
gridⅠ、gridⅡは、それぞれの室内から双方の展示や下階の様子などがうかがえる構造になっています。
異なるジャンルが三層に分かれた建物ですが、建築内の空間は一体と感じられるような工夫がいたるところに施されています。


江戸時代以前より続く長い歴史を持つ当店。
老舗としてのプライドを持ちつつも、それに驕らず常に革新的、挑戦的であろうとする姿勢を反映した建築です。
幾度もミーティングを重ね、設計・施工サイドとイメージを共有していきながら創りあげました。


この空間は、お客様お一人お一人がじっくりと着物やアートと対話していただくことで、本当の完成を見ます。
皆様のご来店を心よりお待ち申し上げております。


(写真撮影:古川泰造)

カテゴリー|尾崎呉服店の建築

投稿者|前田